廃タイヤを無駄なく資源化
廃タイヤをGT乾留熱分解油化装置(グリーンズタイヤシステム)により処理し、処理工程から発生する残渣を、有効な資源として回収・再利用(マテリアル・リサイクル)することを可能とします。本装置は、加熱分解工程から発生する炭化水素油を、冷却・凝縮させることにより重油を抽出し、一部は本装置のバイオマス燃料として利用するほか、残りもバイオマス燃料として回収し有効利用します。また、乾留後分離されたタイヤスチールは再利用が可能なほか、炭化物は原料として活性炭やカーボン・ブラックを製造し、再利用を図ることができます。
乾留熱分解油化装置は、密閉式のカートリッジ容器内に廃タイヤを投入して、外部バーナーから過熱(約300~400℃)した際、タイヤが加熱分解して発生するガスを冷却・凝縮させることによって油として回収できるほか、さらに、乾留後分離された炭化物をカーボンブラックや活性炭の原料として回収することができます。
再生油の性状
廃タイヤを乾留熱分解して生成される油の性状は日本重油規格1種2号を満たしています。
カーボン
廃タイヤを乾留熱分解した後の残渣成分は、有害物質に関しては、EUのRoHS指令6項目の、鉛・水素・カドミウム・六価クロムについていずれも規制値をクリアしています。グリーンズタイヤシステムは、この乾留残渣を粉砕機で60ミクロンまで粉砕しカーボン原料として出荷できます。
環境に配慮したシステム
グリーンズタイヤシステムは、約20年の研究開発により、シンプルな構造で重油・鉄・炭化物を廃タイヤから取り出し、再生エネルギー源として利用することができます。また、バイオマス燃料の利用により温室効果ガスの排出削減に寄与できるほか、このようなプラントの弊害としてありがちな騒音・匂い等の心配もなく、市街地においても操業が可能な環境に優しい装置となっています。
- 密閉構造のため、処理物のガスは外気に触れることがないので、臭気は発生しません
- 処理物はガス化された後、冷却され液化するので、余剰ガスが温水器の燃焼室で完全燃焼され煙の発生はありません
- プラント内冷却水は、循環再利用するので、施設から外部への排水や廃液等の放流はありません
- 装置が発生する音はバーナーのファンが稼働する音のみで、騒音は極めて少ないレベルです