誰もが循環型社会を
意識する時代

身の回りを見渡してみると，書籍、新聞、梱包材、コピー紙、トイレットペーパーなど、紙が身近であ ることを気づかされます。そうした中、日本全国で捨てられてしまう紙の量は年間約1,800万㌧（東京 ドーム117杯分）にのぼり、 紙を焼却するために，年間約150億円もの税金が投入されています（厚生 省調べ）。一方、2023年の紙・板紙合計の古紙利用率は66.8％、回収率は81.7％、利用率・回収率は世 界でもトップクラスにあります。

日本における紙のリサイクルは、平安時代から既に始まっていました。紙が普及するにつれて原料不足 になったため、「古紙の抄き返し」という使用済みの紙のリサイクルが行われていたとされています。 その後も再生紙の生産は続き、江戸時代には浅草紙や京都の西洞院紙などが有名で、この時代から商取 引として古紙回収が始まっており、循環型社会が形成されていました。